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食べる人も作る人も笑顔になる「スマイルケア食」とはどんな介護食ですか?

今までの介護食が「安全に食べられる」ことを目指していたのに対し、スマイルケア食は、食べやすさだけでなく、味付けや見た目のおいしさにもこだわり、食べる人の視点からレシピを工夫した食事です。

スマイルケア食とは

農林水産省が提案する介護食の新たな総称であるスマイルケア食は、従来の市販介護食よりも献立が豊富で、利用者の多様な好みに対応したメニューが特徴です。グラタンやリゾットといったおしゃれな主食から、ゼリーなどのデザートまで、ありとあらゆる食材が用意されています。こうした多様性は、食欲の増進と栄養摂取の改善に繋がり、日々の生活満足度向上にも寄与します。

スマイルケア食の分類

スマイルケア食は、利用者の噛む力や飲み込む力に応じて、食品のやわらかさや形状をもとに7つのタイプに区分されています。これにより、より多くの食材が利用可能となり、利用者の食生活が豊かになります。

 

  • 従来の介護食にあった区分
    • 容易に噛める(弱い力で噛める)
    • 歯茎でつぶせる
    • 舌でつぶせる

 

  • スマイルケア食で新たに追加された区分
    • 介護予防のための食品:噛む力にも飲み込む力にも問題がない人が対象。栄養バランスに配慮し、介護予防を目的とした食品。
    • ペースト状の食品:なめらかなおかゆや、やわらかいペースト状の食品。粒があっても口の中でまとまりのよい食品。
    • ムース状の食品:粒がなく、なめらかなムース状で、少量ずつそのまま飲み込めるような食品。
    • ゼリー状の食品:粒がなく、なめらかなゼリー状で、スプーンでスライスしてすくうことができるような食品。

食べる人も作る人も笑顔になる介護食を

食事は、健康な人であっても1日の満足度を大きく左右します。介護される側の場合、安全性や栄養面も考慮しなければならないため、料理を作る側の負担も大きくなります。さらに、食事のたびに料理を作る側に迷惑をかけていると感じ、精神的な負担になることもあります。

こうした問題を解決するのがスマイルケア食です。食べる人も作る人も、一緒に楽しむことができる食卓を目指します。

どのような食品のタイプが合っているのか分からない場合は、医師に相談することをお勧めします。食事は歯や入れ歯の状態とも密接に関わっているため、不安なことがあれば歯科医に相談してみるのも良いでしょう。

まとめ

介護食の新しい形、スマイルケア食。それは食べる人も作る人も笑顔になる介護食です。豊富なメニューと、利用者の噛む力や飲み込む力に応じて選べる7つのタイプがあり、日々の生活満足度向上に寄与します。これまでの介護食とは一線を画した新しい試みで、食卓がより楽しく、豊かになることを目指しています。