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パック配食でよく聞く「カロリー食」や「たんぱく調整食」とは?

近年、パック配食サービスの利用者が増加したことでサービスを提供する業者も増えてきました。特に、高齢者向けのパック配食サービスは、噛む力や飲み込む力、持病の有無などに合わせたメニューを取り揃えるなど内容が充実しており、介護の現場でもパック配食が導入されているケースもあるようです。
今回は、パック配食のなかでも高齢者や病気の方とかかわりの深い「カロリー食」と「たんぱく調整食」についてご紹介します。

カロリー食とは

カロリー食は、カロリー調整食やカロリー制限食とも呼ばれることがあるメニューで、通常メニューよりもカロリーが控えめになるよう考えられているのが特徴です。
一食当たりのカロリーがどの程度かは業者やメニュー内容によって異なりますが、300kcal以下に設定されていることが多く、カロリーだけではなく塩分も控えめとなっていることもあるようです。
肥満が気になる方や糖尿病の方向けのメニューです。

 

たんぱく調整食とは

たんぱく調整食は、主に腎臓疾患や肝疾患などでたんぱく質や塩分などのコントロールが必要な人向けのメニューです。たんぱく質や塩分だけではなく、カリウムやリンも調整されていることもあり、一般的にはたんぱく質10g以下、塩分2.0g以下となっています。
なお、一般的なタンパク質調整食はカロリーは通常メニューと同等であるため、たんぱく質と塩分だけではなくカロリーの制限も行わなければならない「糖尿病性腎症」の方には向いていません。糖尿病性腎症の方は、カロリーも調整された「カロリー・たんぱく質調整食」を利用しましょう。

 

利用するときの注意点

カロリー食やたんぱく質調整食は、持病のあるかたや生活習慣病予防などのために食事制限が必要とされた人を対象として考えられています。そのため、食事制限をする必要がない人が利用すると栄養不足を招く可能性があります。
特に、高齢者は過剰なカロリー制限やたんぱく質制限を行うと低栄養を起こしやすいため、健康によさそう、ダイエットによさそうといった理由での利用は控えましょう。
また、利用する前に医師や栄養士などに相談し、自分にどのような食事制限が必要か、利用したいパック配食の内容が自分の体にあっているかどうかを確認しておきましょう。

 

まとめ

パック配食のカロリー食やたんぱく質調整食を利用すると、自分で栄養計算したり調理したりする手間もなく、簡単に食事制限を行うことができます。
しかし、制限をする必要がない人が利用したり、体の状態にあっていないメニューを選んだりするとかえって健康を損ねてしまう事があるため、利用の際は自分に合っているかどうか確認してから利用しましょう。
また、パック配食は通常、「おかずのみ」となっています。おかずのカロリーや塩分、たんぱく質を控えていても、ご飯やみそ汁などを食べ過ぎると制限を超えてしまいますので注意しましょう。