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完全食(パーフェクトフード)って?バランス栄養食やスーパーフードとは何が違うの?

近年、健康志向の高まりからバランスの良い食事への注目が高まっています。栄養バランスの良い食事が一食でとれる「完全食」も開発され、SNSなどでも話題となっていますが、完全食とはどのようなものなのでしょうか。
今回は、完全食についてご紹介します。

完全食とは

完全食とは、人間が健康を維持するために必要な栄養素をすべて含んだ食べ物のことで、厚生労働省が定めた「日本人の食事摂取基準」に示された必須栄養素を満たしているもののことを指します。完全栄養食や完全栄養食品ともいわれており、パスタやパン、味噌汁、スムージー、グミ、クッキーなど様々な種類があります。
どの栄養素をどの程度含んでいるかは製品によって異なりますが、タンパク質、食物繊維、ミネラル、ビタミンを豊富に含んでおり、1食で必要な栄養素を補うことができます。一般的には、一日に必要な栄養素の1/3が摂取できるように調整されています。
一方、過剰摂取になりやすい脂質や塩分、炭水化物は低めに設定されていることが多く、カロリーも控えめになっているため、ダイエット中の健康維持にも役立てることができます。

バランス栄養食やスーパーフードとの違い

バランス栄養食は、タンパク質や食物繊維、ビタミンなどの不足しがちな栄養素を強化した栄養補助食品のことです。幅広い栄養素を手軽に摂取できるという点は完全食と同じですが、1食に必要な栄養素がすべて含まれているとは限らないという点が異なります。
また、完全食はタンパク質・ミネラル・ビタミンなどの栄養素すべてが「一日の必要量の1/3」というように一律で調整されていますが、バランス栄養食はタンパク質は一日の必要量の1/4、ミネラルは1/5、ビタミンは1/3のように、調整率がバラバラになっています。そのため、一日に必要な栄養を1食で1/3摂取できる完全食を3食食べれば、一日の栄養素のすべてを必要量摂取できますが、バランス栄養食を3食食べても必要量を満たさない栄養素が出てきます。
バランス栄養食は食事の代替品というより、サプリメントのように食事と併用して不足分を補う食品と考えるとよいでしょう。

スーパーフードは一般的な食品より栄養価が高い、または特定の栄養素が突出して多く含まれる食材のことです。栄養価が高いという点は完全食やバランス栄養食と同じですが、スーパーフードは「チアシード」「カカオ」「スピルリナ」「キヌア」といった食材ともいえる食品で、人工的に栄養を調整して作った加工食品ではないという点が大きく異なります。

まとめ

完全食は健康のために必要な栄養素を満たした食品であるため、すべての食事を完全食に変えれば必要な栄養素を過不足なく手軽に取ることができます。
しかし、完全食はカロリーが低めに設定されているため、3食すべてを完全食にするとエネルギー不足に陥る可能性があります。また、噛む力が低下したり、バリエーションが少なく食事の楽しみを感じにくくなったりする可能性もあるため、すべての食事を完全食に切り替えるというのはあまり現実的ではありません。
日常の食事のうち1食を完全食に切り替えるといった形で取り入れると日々の食事を楽しみながら上手に栄養を補うことができます。