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高齢者に多い低栄養状態とは?その予防策について教えてください。

低栄養とは、その名の通り体を維持するために必要な栄養が不足している状態です。発展途上国では子供に多く見られるほか、先進国でも極度の偏食や誤ったダイエット、貧困など様々な要因で低栄養状態になることがあります。
また、食べる量が減るだけではなく、嚙む力や飲み込む力が衰える高齢者は低栄養状態になりやすいといわれています。

低栄養状態を放置していると

低栄養状態は体を維持するための栄養が不足した状態です。人間の体は栄養が不足すると内臓や筋肉に貯蔵された糖質、脂質、タンパク質などを消費して体を維持します。
そのため、筋肉量や筋力が低下して歩行などの日常動作に困難を感じるようになったり、疲れを感じやすくなったりします。運動量が減ると食欲も減るため低栄養がさらに悪化しやすく、できるだけ早期に対処する必要があります。
また、筋肉量が減ることで基礎代謝が減って体温の維持が難しくなったり、免疫力が低下して病気にかかりやすくなったりします。

子供の低栄養状態が続くと発育の遅れの原因となります。近年は、カロリーの摂取量は必要量を満たしているものの、タンパク質やビタミン、ミネラルなどが不足している「新型低栄養」の子供が増えているといわれています。

低栄養の予防

低栄養を予防するには、栄養バランスが整った食事を毎日しっかり取り、栄養が不足しないようにすること以外の方法はありません。
カロリーだけではなく、タンパク質やミネラルも意識して食べるものを選びましょう。一日3食食べるのはもちろん、成長期の子供や運動などで消費カロリーが多い人は補食も利用するなど、その人の年齢やライフスタイルにあった食事を撮ってください。

 

高齢者は少量ですぐに満腹になりやすいため、食事の際は不足しやすいタンパク質やカルシウムを多く含む食材から食べる、一回当たりの量は少なくして食事回数を増やすなど、食べ方を工夫しましょう。食事に合わせて栄養補給のゼリーなどを利用するのもよいでしょう。
また、高齢者の食事量低下は、食べ物の大きさや硬さが噛む力や飲み込む力にあっていなかったり、歯のかみ合わせが原因になっていることがあります。食べづらさを感じている場合は栄養士や歯科医などの専門家に相談するとよいでしょう。

 

麺類やパン、ご飯などを主体としたメニューは手軽で食べやすいものの、炭水化物以外の栄養が不足しやすいため注意が必要です。小食な人は、これらのメニューをできるだけ避けた方がよいでしょう。

運動も合わせて取り入れる

低栄養状態が続くと体の筋肉量や筋力が低下してしまいます。食生活や栄養状態を見直すだけではなく、運動を取り入れて筋力低下や筋肉の減少を防ぎましょう。
ただし、激しい運動は多くのエネルギーを必要とするため低栄養を悪化させる可能性があるほか、体を傷めたりケガをすることもあります。日常生活に取り入れられる軽いエクササイズや体操、歩行距離を増やすなど、軽度の運動にとどめておきましょう。

まとめ

持病がある人や薬を飲んでいる人は、病気や薬が原因で低栄養になることがあります。体の状態によっては食べられるものに制限がありますので、低栄養であると感じた際は、医師や栄養士などに相談して食生活の見直しを行いましょう。
また、カロリーは過剰でほかの栄養素は不足している新型低栄養では「低栄養状態なのに太っている」ということもあります。低栄養は年齢や性別、体格にかかわらず起こることなので、普段から注意することは大切です。